スーパーインバーとは、鉄、ニッケル、コバルトの合金で、常温付近での熱膨張率がごく小さい高性能金属材料のことです。インバーよりさらに膨張係数が少なく、金属材料の中では最低の熱膨張を示すインバーをスーパーインバーといい、磁器の歪みによる体積変化と通常の格子振動による熱膨張が相殺しあって、ある温度範囲で熱膨張が小さくなる優れた機能をもった素材です。 温度による寸法変化すらも嫌う精密加工品などに使われ、「超不変鉄」「超不変鋼」「スーパーアンバー」とも呼ばれています。
もともと鉄63.5%、ニッケル36.5%の合金「インバー」が、熱膨張係数が鉄の10分の1と小さい特長を備えていたのに対し、鉄63.5%、ニッケル31.5%、コバルト5%の三元合金は熱膨張係数100分の1以下とより優れていたために、1903年にスーパーインバーと名付けられました。 熱膨張率の低さから、発電施設の機器やブラウン管のシャドーマスクなど温度環境の厳しい分野で使用されるほか、高強度の特性が精密機械部品、光通信用コネクタなどにも応用されています。